19 Jan 2009
予兆 池田学

「予兆」190×340cm
1月17日(土) 池田学 展 @MIZUMA ART GALLERY
"息を飲む"という体験をしたのはいつぶりだろうか・・・
1つの絵画を目の前にして30分以上その場に立ち尽くしてしまった。

以前「たけしの誰でもピカソ」で紹介されているのをチラッと見て、池田学さんのことを知った。
紙とペンだけで生み出される超細密画。雑誌やネットでも作品が多数紹介されていて、これはゼッタイ生で観てみたいと思っていた。
実際、目の前にすると、その魅力や迫力はメディア越しで感じたものの数十、いや数百倍。
引きで観た全体像の存在感も然ることながら、寄って観た時のその細密さにさらに驚いた。しかも部分的に観ると意外とコミカルだったりメルヘンチックな表現がされていて、中にはプッと吹き出してしまうようなところも。全体像とのギャップが面白い。
絶壁の崖の間に廃墟と化したビル、隣には五重塔が横たわり、そこに群がる軍隊。その上空に迫る大型船から釣り糸を垂らす人々はこいのぼりを釣り上げ・・・みたいな文明と自然の融合した物語的なものが脈絡なく描き連ねられ、増殖した細部はひとつの巨大な造形物に。
そのディテールは葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を彷彿とさせるが、細部は雪山で構成されている。
会場に来ていたご本人とそのご友人の会話によると、もともとは雪山を描いていて制作開始から1年程してから(1日にこぶし大程しか進まないらしい)全体像が決まったらしい。
他にも面白い話が聞こえてきた。「崩れ落ちている雪の一部が、ほらっ 胎児の形(笑)」とか。
2年間にも及ぶ制作期間のなかで、日々感じたことや刺激を受けたものが様々な形で作品に反映されているのだと思った。おそらく池田さんからしたら日記のようなものなんだろうな。

今回の展示は最新作3点だけだったが、もうお腹いっぱい。
でも許されるならば、虫眼鏡を片手に隅から隅まで1日中眺めてみたい・・・しゃぶりつくように。
過去の作品もすばらしいものばかりなので機会があれば是非観にいきたいです。
池田学
1973年 佐賀県生まれ
東京藝術大学美術学部デザイン科卒業
01年「第4回はままつ全国絵画公募展」にて大賞を受賞。2006年のミヅマ・アクションにおける初個展が反響を呼び、その後イタリア(トリノ)、ドイツ(カールスルエ、ベルリン)、カナダ(ハミルトン、ビクトリア)等の美術館のグループ展に参加するなど海外にも活動の場を広げている。
池田学